許可申請小ネタ

住民票を移してない or 国民健康保険証しかない時の常勤の証明

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建設業許可でも重要な要件である「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」はその事業者に専属で常勤していなくてはなりません。

どちらも重要なポジションですから、他の会社と二股したり、たまにしか出勤しない、ということでは困るんですね。

 

許可申請の際は、「経管と専技はどちらも常勤してますよー」ということを証明する必要があるのですが、その証明書類としては住民票と健康保険証です。

住民票を使って「勤務先に充分通える範囲に住んでます!」ということが証明でき、保険証で「他のところには勤めておらず、ここで社会保険に入って専属で頑張ってます!」ということが証明できるのです。

しかし、人それぞれに事情があって、住民票の住所には住んでいないことや、社会保険に入っていないことだってありますよね。

そういう時は、少し手間はかかりますが、追加の書類を提出することによって常勤であることを認めてもらえることがあります。

たまにあるケースを例に挙げてご説明します。

 

住民票の住所に住んでない!!
実際の住まいはどう証明する?

まずもって、勤務先(厳密には、許可を取る業者の営業所。本店や本社。経管も専技も、「営業所」に常時いる必要があり、「営業所」に勤務するのが建前です)まで片道120分を越える通勤はあまり現実的ではありません

その場合、電車通勤であれば定期券やその他「誰が見ても毎日通ってる証拠となるもの」を求められることがほとんどです。

 

それはさておき、単身赴任などで住民票は元々の所に置きっぱなしで、実は会社の近くに住んでいるなどするケースではどのような書類が必要でしょうか。

東京都の場合では、以下の書類を求められることがほとんどです。

  • 実際住んでいるところの賃貸借契約書など、そこに住む権利があることを示す書類
  • 公共料金(電気・ガス・水道)の領収証を少なくとも直近3ヶ月分

これらはコピーを提出するとともに、原本を提示します。

もちろん、状況に応じて違います。
実際に住んでいるところが自分の所有(セカンドハウスなど)であればその建物の全部事項証明書(登記簿謄本)が求められることになるでしょうし、社宅などであれば、その賃貸借契約書や社宅費が天引きされている給与明細などで証明することになるでしょう。
何らかの方法で証明できるかと思われますので、都庁の指示・要請に従って手配していきます。

 

社会保険に入っていない時の対応

協会けんぽなどの社会保険証というものは、社名や資格取得日(ほとんどの場合、入社日)が記載されているので、建設業許可申請の面でも非常に楽です。

これ1枚で現在の常勤や過去の常勤の証明が飛躍的に楽になります。

しかし、社会保険に入っている会社ばかりではないでしょう。
その時、常勤を証明する手立てはあるのでしょうか。

答えは…ありまぁす!(STAPさいb

以下を参照してください。

住民税特別徴収税額通知書(納税義務者用)

住民税の特別徴収とは、給与から住民税を天引きすることによって徴収することです。

これをA社からやられている人は、基本的にA社に勤めているんだろうと推定されるわけです。

その書類の例はこちら。

これはこだたま行政書士事務所の林が別事業としてやっている株式会社のもので、ざっくりイメージだけでも分かってもらえれば。もちろん実際に特別徴収をしていないといけませんので、社会保険に入らないのであれば特別徴収の手続きをしておきましょう。

これもなければ、次に進んでください。

確定申告書(個人事業主) or 決算報告書(法人)

当事務所の独自の経験だけで言うと、社会保険がない場合の常勤証明は、上の特別徴収税額通知書よりこちらで行うことが多いです。

個人事業主の場合の確定申告書。
個人名義の許可を取得する場合はほとんどこれです。

ただ、一点だけ注意点があり、確定申告書に事業所得以外の給与所得などが記載されている場合、本業は会社勤め(給与所得者)とみなされてしまうことがあり、常勤が認められない(=経管の場合は許可が取れない。なぜなら、個人事業において「経営者」とはその本人以外にないから。)という結末に至ることがあります。

下の図で、「収入金額等」の「給与」という部分にガッツリ数字が入っており、第二面においても給与の支払い者(赤枠部分。どこから給与が出ているか。)が記載されているとかなり厳しいです。

もちろん、事業主本人が専従者などに給与を支払う側であれば何も問題ありません。
上の画像の赤枠部分に何かしらの記載があると危ないとお考え下さい。

 

法人の場合の決算報告書は簡単です。
決算報告書全部を提出するわけでなく税務署の受付印がある「表紙」と「役員報酬明細」の部分だけです。

この役員報酬明細、当事務所も初めは何のことやらと思ったのですが、なんてことはない、決算報告書の中に必ずある「役員報酬手当等及び人件費の内訳書」(多少は名称が違う可能性あり)のことだったのです。

こんな感じのものです。

これも一応注意点はありまして、特に役員報酬明細の方ですが、「常勤」という記載が必要であることと、役員報酬の金額がおよそ200万円以下になってくると「常勤の経営者の割に金額が低い」として常勤性を認めてくれないことがあります。(画像の赤丸部分参照)

金額が少ない場合、「業績が悪かったから役員報酬を低く設定していた」ということがほとんどでしょうが、その事情をすんなり汲んでくれないのもお役所の伝統です。

あと、個人法人いずれも、最近はe-Taxなど電子データで申告し、税務署の受付印がない場合がちらほらあります。
この場合は、電子申告した際のメールをプリントアウトして、これを添付する必要があります。

これです。

 

 

さて、もしここまでの資料をもって常勤を認めてくれない場合は、かなりの個別対応が求められます。

但し、給与明細や源泉徴収票など、いわば「自社だけで何とでも作れるもの」では常勤は認めてくれません。(過去は認めていたようですが、現在、東京都では一切認めていません。)

 

申請の手引きにもあるように工事台帳や日報などで証明を狙うのでしょうが、おそらくそれ単体では無理でしょう。
いくつもの資料を組み合わせて、誰がどう見ても虚偽がなく、常勤していたと認めるレベルの資料を用意することになります。

 

この辺までくるとあとは行政庁との根気強い交渉と協議ですから、他に代わりになれる人がいたら申請をやり直す方がずっと楽なレベルです。

しかし、どうしても代わりがいない、自分で経管や専技になるしかないという方は、当事務所にも相談してみてください。
何かしら方法がないか、一緒に考えていきましょう。

 

補足:標準報酬決定通知書で常勤証明

…と、あと一つ。

東京都の手引きには、健康保険証に事業所名(会社名)が記載されていない時に常勤を証明できる書類として

健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
又は
健康保険・厚生年金被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書

を挙げています。

それぞれこういうものです。

【健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書】

【健康保険・厚生年金被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書】

でもこれって社会保険の加入手続きをしていないとそもそももらえない書類じゃないかなあと思うのです。

加入手続きをして社会保険証が発行されるまでには少し時間がかかるので、それまでのつなぎ書類かとも思ったのですが、それだったらいわゆる「仮の保険証」と言われる「被保険者資格取得証明書」の方が手っ取り早いし…。

年齢の関係で健康保険証が発行されない(75歳以上)場合に使うのかな?

とにかく、この標準報酬決定通知書系を提出したことは、当事務所としてはないんじゃないかなあと思います。

手引きに記載されている以上は、使うケースもあるとうことなんでしょうけどね。







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